ヴィクトリア時代の台所~19世紀英国の料理本を読む~

19世紀に書かれたイギリス料理の本を拾い読みしながら、当時の暮らしに思いを巡らせてみるブログです。

秋のディナーの献立(10~12人用)

すっかりご無沙汰しています。たいして何もしていないのに、気がつけばもう9月が終わってしまいそうで、ちょっと焦っています。

さて、今日は秋の献立を見てみたいと思います。この本では季節ごとにディナーやランチの献立が紹介されています。平常のファミリーディナーから大人数のパーティ用メニューまで、なかなか凝った献立が考えられています。

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マリガトーニースープ

開いたウナギ(?)
鹿肉のホーンチ(もも肉?)
ゆでた鶏肉とセロリソース                        タン(おそらく牛タン)と芽キャベツ
カレー風味の卵                                             クロメスキ
仔牛のフリカッセ
ー セカンドコース ー
ミラノスフレ
パイナップルフリッター                                            レモンゼリー
                           ストーンクリーム                                        カレッジプディング       
パートリッジ
豪華ですね~。肉類が中心ですが、"eel" という文字にはっと目を奪われました(笑)。
"spitchcocked" は縦に開いて料理するという意味なので、蒲焼きかと思いましたが、違いました...。
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<作り方>
1. ウナギ2、3匹の皮をはぎ、腹側から開いてきれいに洗う。
2. 背骨を取り除き、3~4インチの長さに切る
3. 刻んだパセリ、セージ少々、塩コショウ、細かく砕いたメース、温めたバター少量、レモン汁半個分を両側にまぶす
4. 卵とパン粉をつけ、油で揚げる
5. 円状に並べ、中心にピカンテソースを添えて供する

美味しそう…(ゴクリ)。蒲焼きではなく、フライでした。piquante (picante?) ソースはトマトベースの辛いソースのようです。実はけっこうスパイスの効いた料理が食べられていたのかもしれないですね。
このマリガトーニ―スープも、カレー風味のインドのスープです。
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え?仔牛の頭…? 何やらおぞまし気なので、作り方は省略します。
 

次に、クロメスキという料理ですが、これは一口サイズの小さいコロッケのことだそうです。たとえば、こちら↓

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クロメスキのレシピがいくつかあったのですが、撮っておいた写真のレシピは牡蠣のクロメスキで、パン粉は使ってないものでした。要約すると ーー 牡蠣、鶏肉、マッシュルーム、クリーム、卵でコロッケの具を作り、コルクより小さく成形し、薄切りのベーコンで巻いて (天ぷらのような?) 衣をつけて揚げる、です。
けっこう手間がかかりそう。牡蠣と肉を組み合わせるというのが意外な気がしました。貝類と肉を組み合わせた料理ってあまりないように思うのですが、私が知らないだけでしょうか?
 
力尽きてしまったので、今日はここまで。
次回は、セカンドコースのレシピについて見てみようと思います。
 
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鹿肉のホーンチの挿絵があった (6)。
とてもグロいのでページ全体を載せられません…