ヴィクトリア時代の台所~19世紀英国の料理本を読む~

19世紀に書かれたイギリス料理の本を拾い読みしながら、当時の暮らしに思いを巡らせてみるブログです。

10月が旬の食材

早いもので、もう10月が終わってしまいそうです。毎月「The Cook's Calendar」の章から旬の食材について書く予定だったのが、すっかり遅くなってしまいました(汗)。

9月の食材と同じものが多いですが、トリュフやアーモンドなど秋の味覚もありました。

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10月のリストに追加されたもの
<肉類>
doe venison (女鹿)、dotterels (コバシチドリ)、phesant (キジ)、snipe (シギ)、widgeon (ヒドリガモ)、woodcock (ヤマシギ)
<魚類>
dory (マトウダイ)、gudgeon (タイリクスナモグリ)、halibut (オヒョウ)、salmon trout (ウミマス)、smelt (キュウリウオ科の各種の食用魚)
<野菜類>
savoy (チリメンキャベツ)、tomato (トマト)、truffle (トリュフ)、winter spinatch (ほうれん草)
<果物類>
almond (アーモンド)、apple (リンゴ、品種: Golden pippin, Royal russet)、black and white bullace (野生化、または半分栽培化されたユーラシアの小型のスモモ)、peach (桃、品種: Old Newington)、October peach (10月の桃)、pear (洋梨、品種: Beurre、 Chaumontelle、Bon Chretien、Swan's Egg)、service (ナナカマド)

9月のリストから削除されたもの
<肉類>
buck venison (牡鹿)、leveret (子ウサギ)、plover (千鳥)、turkey poult (七面鳥の若鳥)

<魚類>
flounder (ヒラメ/カレイ)、gurnet (ほうぼう)、mullet (ボラ)、plaice (プレイス)

<野菜類>
bean (豆類)、carrot (人参)、cucumber (きゅうり)、lettuce (レタス)、mushroom (マッシュルーム)

<果物類>
apple (White caville)、cherry (チェリー、Morella)、pinapple (パイナップル)、plum (プラム)

 

野菜や果物は現代と似たような感じですが、やっぱり肉類と魚類には聞いたことがない (そして今後も食べる機会はないと思われる) ものが多いです。肉類では特に野鳥類が増えているところに、狩猟の季節でもある秋が感じられます。

洋梨の種類も色々とあったようなのが気になります。今では普通のスーパーマーケットでは conference 一択みたいな感じですがね。Swan's Egg (白鳥の卵) を写真検索してみたら、その名のとおり丸い形の梨の写真が出てきました。何だか可愛い。

それから、今月が特に旬の食材の中に、medler (セイヨウカリン) があるのですが、食べたことがないし、売っているのも見たことがない気がします。写真を見る限り、あまり食欲をそそられませんが、どんな味なのでしょう? 生食よりもデザート向けみたいです。

その他には、「トリュフ」とさりげなく書かれていますが、この時代でもトリュフは高級品だったのかどうかも気になるところです。フランスやイタリアから輸入されていたのでしょうかね? 本が戻ってきたらレシピが載っていないか探してみます。

それでは、また次回。